失敗談で見抜く、SNSビジネス

REAL FAILURE STORY

ゆきこさんの失敗談

ジャンル:SNS運用・コンテンツ販売・Instagram
投資額1,800,000円
収益額0円

■きっかけはInstagramの広告 Instagramを何気なく見ていたとき、「SNSで収益を出す」という広告が目に入った。よくある内容なので最初は無視していたけれど、なんとなくタップして詳細を読みLINE登録。LINE登録のみなら害はないと考えていたし、その広告自体には詳しい内容は無く、LINE登録後に詳しい内容がわかるとのことだった。さらには話を聞くだけでAmazonギフト券5,000円がもらえるとあり、「実際どうやって稼いでいるのか知りたい」という好奇心もあって、電話の日時を予約した。お金を支払う話になったら電話を切ればいい、そのときは気軽にそう考えていた。 ■「企業のLINE登録を誘導するだけ」という説明 電話の日、話をした担当者の説明は以下の通りだった。「XなどのSNSに投稿して、企業の公式LINEへの登録を誘導する。投稿する内容はある程度こちらで用意してあるので、実質コピペなので非常に手軽です」。この話をまず聞いて、「それだけで稼げるの?」とまず疑問に思った。担当者の説明は、「企業のLINEなので多くの方々に気軽に登録してもらえる」とのこと。確かに、企業LINEなら私も抵抗なく登録したことが何度もある。私は担当者の話を信じてしまった。さらに話は続き、「同じ仕事をしている人は平均で月300人の登録を集めている。」、「確実に稼げる」などと言われた。今思うと本当に怪しいのに、この時の私は「これが本当だったら……」と、相手の話を鵜呑みにしてしまっていた。 話の最後に「銀行のローンは組めますか」と聞かれたときはさすがに意味がわからず、おかしいと感じた。それなのに、そのときは深く考えず、ローンなんて自分には関係ない、と思っただけだった。次回電話の予約をし、その場で電話を切った。 ■6つのコースと「後から引かれる」はずのサポート料 後日の電話では、話しながら担当者からLINEで画像が送られてきて、6つのコースを紹介された。登録1件あたりの報酬は一番報酬が安いコースで600円、一番高いコースでは2,500円。1日4件なら2,400円と1万円の差になるので、当然一番上のコースを強く勧められた。 コースごとに月額のサポート料があり、「稼いだ金額から毎月引かれる」と言われ、先にお金を払うことはないとこのときはまだ安心していた。 ところが話が進むと、「サポート料の上限額を先に払ってもらってから仕事開始」という話になった。最低コースで約30万円、最高コースで約220万円。さすがにそんなのは支払えないと考えたが、もうこの時には十分に仕事の説明も聞き、気持ちとしてはやる気満々になってしまっていた。さらに担当者の言葉「上のコースなら毎月70〜90万円は稼げるので、数か月で元が取れます」に、すっかり担当者とラポールを築いていた私は「数か月で元が取れるのなら……」とお金を支払う方向に気持ちが傾いてしまった。 そして電話をつないだまま、言われるがままに暗号資産のアプリをダウンロードし、指示どおりの手順で180万円を支払った。220万円でなかったのは、「そんなに払えない」と私が渋ったときに「180万円までなら下げられます!」と担当者に言われたからだ。今だけ、あなただけ、そんな言葉を並べられて、「それなら、今支払うしかない」という幻想にとらわれてしまった。 ■払った直後の不安と、聞いていた話との違い 支払いが完了した直後から、暗号資産で支払ったこともあり、「やっぱり騙されたのでは」という怖さでいっぱいになった。会社名をネットで調べると、住所は新宿のバーチャルオフィス、設立は2025年12月だった。まだできたばかりだと、この時初めて気づいた。 支払い後は担当者が変わった。仕事内容を詳しく聞くと、支払い前の説明とは違っていた。企業のLINE登録用投稿ではなく、「この副業」のLINEに登録してもらうようThreadsに投稿する、というもの。つまり、私と同じようにお金を払う人を増やす仕事だったのだ。これを理解した瞬間、やってはいけない事だと思い、さらに怖くなっていった。 ■クーリングオフを申し出たけれど 支払いから1週間後、契約書がメールで届いた。契約書と共にクーリングオフの記載があったので、すぐにメールとハガキで通知し、消費生活センターにも電話をして相談。センターの方からは「クーリングオフは適用される」とはっきり言っていただき、契約書が1週間後に届いたことも、期間をギリギリにする意図が感じられると言われた。 相手の会社にもさらに電話とLINEでクーリングオフをしたいと伝えたが、返事は「上司と相談します」だけ。ハガキは受取人不在で戻ってきた。消費生活センターの指示で、センターの電話番号と担当者名を会社に伝えたが、会社からセンターへの電話は一度もなかった。それなのに会社は私には「センターの担当者には、クーリングオフは難しいと伝えた」と何度も言う。平気で嘘をつかれ、ショックが大きかった。 さらに相手の会社の上司から電話があり、「もっとお金を払えば特別なコースに案内できる」と言われた。もちろん私は応じなかった。 ■ある日突然、すべての連絡が途絶えた 支払いから1か月ほどは、LINEと電話で連絡が取れていた。しかしある日を境に返信がなくなり、代表番号も知っている他の番号も「現在使われておりません」のアナウンス。LINE電話も当然つながらず、今もLINEは未読のままだ。 もうどうしようもなくなって警察にも相談したが、「捕まえるのは難しい。今後は気を付けてください」と言われただけだった。弁護士の無料相談では、この会社についての相談は多いものの、相手の居場所がわからず連絡も取れない以上、取り戻すのは非常に難しいとのことだった。 クーリングオフが有効でも、相手に返す気がなければお金は戻ってこない。今はもう諦めている。 ■一番失ったものと、一番の後悔 失ったのは、お金だけではない。この件で毎日悩み、夜も眠れず、何も手につかない日が続いた。本当につらい毎日で、その時間も無駄にしてしまったと思っている。 そして、人を信頼する気持ちも失った。人の言葉を素直に信じてしまった自分が悪いのだと思うようになり、これからは怪しいと感じたら疑おうと決めた。けれど、それはそれでなんだか悲しい。 一番の後悔は、おいしい話を信じて、お金を払ってしまったことだ。180万円あれば、いったい何ができただろう。今でもそんなふうに考えてしまう。

ゆきこ 41歳